おせち料理を重箱(四段重)に入れる意味は?詰め方や盛り付けのポイントを紹介
お正月におせちを食べる習慣はあっても、重箱に詰める意味をよく知らない方もいるのではないでしょうか。また、おせち料理を自分で作ろうと思っても、重箱への詰め方がわからない方もいるかもしれません。
この記事ではおせち料理を重箱に入れる意味や、それぞれの段に込められた意味、おせち料理のきれいな詰め方のポイントなどを紹介します。
おせち料理の意味や詰め方を知ることで、おせちの準備やお正月をもっと楽しめるようになります。おせち料理それぞれに込められた願いや、盛りつける際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
おせち料理は四段重(与段重)に詰めるのが基本
おせちの重箱の段数は様々ありますが、四段重(与段重)が基本です。
地域や家庭によっては五段にしている場合もあり、五段目には何も入れず神様からの福を授かるスペースとして空けておくことが多いです。
核家族化が進んでいる現代では四段や五段だと食べきれないため、三段にする家庭も増えています。
また、段数によって料理の種類ごとに詰める場所が変わるので、おせちを手作りする場合は詰め方のルールを確認しておきましょう。
おせち料理を重箱に詰める意味
おせち料理は、おめでたいことが重なるようにという願いを込めて重箱に詰めて重ねます。
このようなおせち料理の原型ができたのは江戸時代末期と言われており、日本らしい食材や料理が多く、現代では日本の伝統的な食文化となりました。
平安時代から行われていた神様にお供えする「御節供(おせちく)」が庶民の間でおせちと呼ばれ、お正月に食べる料理を指すようになったという説があります。
新しい年を迎えられたことへの感謝と、また一年幸せに過ごせるようにという願いを込めながら食べるものです。
実りをもたらす歳神様や祖先の神を家庭で迎えるお正月に、なるべく料理をせず静かに過ごせるようにという意味もあります。
お重に詰めることで見た目の華やかさを楽しめたり、お客さまに出しやすくなったりするメリットもあるでしょう。
おせちの詰め方や料理にも意味や願いが込められているので、それぞれ詳しく紹介します。
おせちの四段重(与段重)に込められた意味と詰め方
おせちの詰め方には段数ごとのルールがあり、見た目や栄養バランスだけではなく、甘味・酸味・辛味など味のバランスも考えながら詰められています。
家庭や地域によっても異なりますが、基本の詰め方を以下の表にまとめました。
段数 | 二段重 | 三段重 | 四段重(与段重) |
---|---|---|---|
一の重(一段目) | 祝い肴・口取り | 祝い肴・口取り | 祝い肴・口取り |
二の重(二段目) | 煮物 | 焼き物と酢の物 | 焼き物 |
三の重(三段目) | - | 煮物 | 煮物 |
与の重(四段目) | - | - | 酢の物 |
「一の重」の詰め
一番上の段には子孫繁栄などの願いを込め、祝い肴(三種の祝い肴)と口取りなど、縁起を担いだ料理を詰めます。他の濃い味の料理をすっきりさせるよう、紅白かまぼこや栗きんとん、昆布巻き、伊達巻き、金柑の甘煮など甘味のものが多いのが特徴です。
「二の重」の詰め方
二の重には鰆の西京焼き、小鯛の南蛮漬けなど海の幸の焼き物を詰めます。出世祈願の意味を込めた出世魚のブリや長寿祈願のエビ、「めでたい」を連想させる鯛などを使うことが多いです。また、鶏肉のみそ松風焼きなど、冷めてもおいしい焼き物を詰めます。
「三の重」の詰め方
三の重には、縁起物のレンコンや昆布巻きなどの煮物を詰めます。「家族が仲良く過ごせるように」という願いが込められた煮しめを詰めるのも特徴です。
「与の重」の詰め方
四段目の「四」は縁起が悪い言葉とされているので、「与の重」と呼びます。ここには酢の物(紅白なますなど)をメインに詰めます。 ナマコの粕漬け・ヒラメの昆布巻きや、新巻鮭のかぶ巻き・菊花かぶなど、生野菜を詰めて栄養バランスを良くするのも特徴です。
おせち料理の種類と意味
おせち料理には祝い肴、口取り、酢の物、焼き物、煮物の5種類があります。
「五味(甘・塩・酸・苦・辛)」と「五彩(赤・緑・黄・黒・白)」を入れて、味と彩りのバランスを良くし、飽きずに色・形・味・香りなどの変化を同時に楽しめるように考えられています。
普段料理をしている人がお正月くらいは休めるようにと、冷めてもおいしいメニューが多いこともおせち料理の特徴です。
家内安全や無病息災など、料理と食材それぞれにおめでたい意味や縁起を担ぐ理由があるので、種類ごとに見ていきましょう。
おせち料理の種類①祝い肴
祝い肴は「三種の祝い肴」と呼ばれ、関東では数の子・田作り・黒豆、関西では黒豆の代わりにたたきごぼうを食べることが多いです。
それぞれ以下のような願いが込められています。
数の子 | 卵の多いニシンのように子孫繁栄を祈願 |
---|---|
黒豆 | まめに働いて暮らせるよう無病息災を祈願 |
田作り | イワシの肥料で田んぼが豊作になったことから五穀豊穣を祈願 |
ごぼう | 地中深く根を張るごぼうのように家族や家業の安泰を祈願 |
おせち料理の種類②口取り
口取りとは酒の肴になる料理や甘みのある料理のことで、それぞれ以下のような意味が込められています。
紅白かまぼこ | 形が初日の出に似ていて、赤は魔除け・白は清浄を意味している |
---|---|
栗きんとん | 金色の団子、金運アップを祈願 |
伊達巻き | 華やかさを表す「伊達」と書物(巻物)に似た形から文化や学問の発展を祈願 |
昆布巻き | 養老昆布=「よろこぶ」で不老長寿、「子生(こぶ)」から子孫繁栄を祈願 |
金柑の甘煮 | 金冠=宝物、生活の豊かさを祈願 |
おせち料理の種類③焼き物
おせちの焼き物には、以下のような縁起の良い魚介類を使います。
鯛の姿焼き | 「鯛=めでたい」を連想し縁起が良い |
---|---|
ブリの照り煮 | ブリは出世魚のため出世祈願 |
エビの旨煮 | 曲がった腰が長生きを連想させるため長寿祈願 |
おせち料理の種類④酢の物
酢の物は箸休めになるさっぱりした料理で、以下のような意味と願いが込められています。
紅白なます | 祝儀の水引を表し、平安と平和を祈願 |
---|---|
菊花かぶ | 菊は日本のお祝いでよく使われてきた縁起物 |
酢レンコン | 根に穴が空いているので見通しが良いことから将来の見通しがきくように |
おせち料理の種類⑤煮物
おせちには里芋や人参などの根菜を使った煮物を詰めます。
「家族が仲良く過ごせるように」という意味と、運がつくように「ん」のつく食材を優先して使った煮しめを作ることも多いです。
クワイ | 芽が出る縁起物なので出世祈願 |
---|---|
里芋 | 親芋の根本から子芋が育つので子沢山を祈願 |
人参 | 逆境に耐える強さや運がつくことを祈願 |
たけのこ | 出世祈願、子供の健康や家庭運アップ |
おせち重箱の仕切り方
おせちはたくさんの種類の料理を丁寧に並べて彩りや豪勢さを出すため、仕切り方にも種類やコツがあります。
お重詰めの基本を覚えておくと失敗を防げるので、以下の詰め方をぜひ参考にしてみてください。
段取り(段詰め) | 横に5〜7列に仕切り、1列ずつ詰める |
---|---|
市松 | 9つの正方形に仕切り、市松模様のように詰める、細かい料理におすすめ |
七宝 | メインを中央に置き、周りに6〜8種の料理を詰める |
桝詰め | 斜め中央に1種の料理を詰めて、両側に他の料理を詰める |
扇型 | 扇を描くように料理ごとにカーブ状に詰める |
おせち重箱の詰め方・仕切り方のポイント
おせちの重箱の仕切り方にはコツがあります。きれいに詰めるポイントを見ていきましょう。
・おせち料理は奇数個ずつにする
・バランスや彩りを考える
・冷ましてから重箱に詰める
・重箱と料理の高さや向きを揃える
・仕切りと器を使う
おせち料理は奇数個ずつ重箱に詰める
おせち料理は、それぞれの数が縁起の良い奇数になるように詰めるのがポイントです。この習慣は、割り切れない奇数の縁起が良いとする、日本古来の思想「陰陽道」に基づいています。伊達巻きは3個、昆布巻きは5個など、奇数を意識して詰めましょう。
バランスや彩りを考える
おせちは、似た色味のものは離して配色を良くするなど、バランスや彩りを考えながら詰めると見栄えが良くなります。
詰める際は、重箱の奥のほうから手前に向かって順番に詰めていきましょう。おせちの仕切り方はたくさんあるので、メニューや料理の数に合わせて仕切り方を選ぶとスムーズに詰められます。
また、自立する料理は立てて詰めると立体感が出てバランスが良くなります。
おせち料理は冷ましてから重箱に詰める
おせち料理は、傷みや他の料理への匂い移りを防ぐために、十分に冷ましてから入れましょう。
崩れやすいものは後に詰めるのも、きれいに詰めるポイントです。
おせちは重箱と料理の高さや向きを揃える
おせち料理は重箱の段の高さより低く詰めるようにしましょう。食べる時に崩れず取り出しやすいように考えて詰めたり、料理の高さが揃うように薄いものは重ねて高さを出したり工夫することもポイントです。
また、エビや魚など頭のあるものは頭を左向きに揃える・伊達巻きは右巻きにする・紅白のものは右側に紅、左側に白を並べるなど、細かいルールもあります。
おせちは仕切りと器を使って重箱に詰める
おせちは段ごとに仕切り方を変えるときれいに見えます。味や香りが混ざらないよう、料理ごとにバラン・笹の葉・裏白などで仕切りをつけるのもおすすめです。
バラバラになりやすい料理や汁気のある料理は、小さな器に入れてから重箱に詰めるとまとめやすいです。器は野菜や果物の中身をくり抜いたものを活用してもおしゃれに仕上がります。
四段重(与段重)に込められた思いを知っておせちを楽しもう
おせちは四段重(与段重)が一般的で、それぞれの段に込められた意味や願いがあります。一の重では子孫繁栄など、二の重では出世や長寿、三の重では家庭円満、与の重では平和や明るい未来を祈願しています。
また、おせちの重箱にはそれぞれの段に詰める食材のルールや、詰め方のポイントがあります。細かなルールやコツもあり、忙しい年末に自分でおせちを作るのは大変という方もいるかもしれません。
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「おせち」の意味については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
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