おせち料理に「栗きんとん」を入れる意味は?作り方やアレンジレシピを紹介
栗きんとんは、おせち料理に欠かせない食品の一つです。その黄金色は新年の幸せと繁栄を象徴し、「金運上昇」や「勝運向上」の願いが込められた縁起物として親しまれています。
しかし、この伝統的な料理の意味や由来、作り方を詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、栗きんとんの起源からおせち料理に欠かせない理由、金運や勝運にまつわる言い伝えを紹介します。
家庭で簡単に作れるレシピや、余った場合のアレンジ方法も紹介するため、ぜひお試しください。新年の縁起物としてはもちろん、年中楽しめる和スイーツとしても人気な栗きんとんの魅力をみていきましょう。
栗きんとん((栗金団)とは?
栗きんとん(栗金団)は、おせち料理の定番として知られる縁起の良い料理の一つです。
一般的に、さつまいもと砂糖で作られた黄金色の餡に、むいた栗を絡めて仕上げるのが特徴です。その美しい黄色から「金の団子」や「金の布団」を意味する「金団」という漢字が当てられ、財産や富、金運を象徴する縁起物として知られています。
おせち料理に欠かせない栗きんとん(栗金団)は、新年の豊かさと幸運を願う想いが込められた、味わい深い一品と言えるでしょう。
おせち料理に「栗きんとん」を入れる意味は?
おせち料理に「栗きんとん」を入れる意味には、主に以下の2つがあります。
1.金運上昇
2.勝運向上
金運上昇
栗きんとんの「きんとん」は「金団」と表記され、その名前には深い意味が込められています。「金団」とは、金色の団子や金の布団を意味し、財宝や富の集まりの象徴です。
栗きんとんをおせち料理に加えることで、「来る年も豊かな暮らしが送れるように」と新年の金運上昇の願いを込めます。
勝運向上
栗きんとんに込められた勝運向上の意味は、戦国時代にまでさかのぼります。当時、兵士たちは出陣前や戦勝後に「搗栗(かちぐり)」を食べる習慣がありました。「かちぐり」が「勝ち栗」と語呂合わせされ、勝利を祈る・祝う縁起物となったのです。
現代のおせち料理に栗きんとんを入れる習慣は、この伝統を受け継いでいます。栗を使用することで、新年の勝運アップを願う意味が込められているのです。
同様に、栗の甘露煮も勝運をもたらす縁起物とされています。
おせち料理に入れる栗きんとんの簡単な作り方
おせち料理用の栗きんとんを手作りする際の簡単な作り方をご紹介します。
保存方法によって準備開始のタイミングが変わるため、注意しましょう。冷蔵保存なら3から5日前、冷凍保存なら1ヶ月前から始めるのがおすすめです。
材料
・さつまいも:300g(大きめのさつまいも1本約300g)
・栗の甘露煮:200g(栗1個約10g)
・栗の甘露煮のシロップ:大さじ4.5
・砂糖:100g
・みりん:大さじ2
・塩:少々
材料
1.さつまいもの皮を厚めにむいて、2?3cm角もしくは輪切りにして30分ほど水にさらす
2.栗の甘露煮とシロップをフードプロセッサーにかけて、ペースト状になるまで撹拌する
3.ペースト状になった栗を小鍋に移す
4.10?15分ほど弱火にかけて練りながら水分を飛ばす
5.砂糖・みりん・塩を加えて、5分ほど煮詰めて照りを出す
6.水にさらしていたさつまいもの水気を拭き取る
7.さつまいもを耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジで2分ほど加熱する
8.さつまいもが熱いうちに細かくつぶす
9.小鍋で煮詰めた栗ペーストと、細かくつぶしたさつまいもを混ぜる
仕上がりはなめらかで艶やかな黄金色になるでしょう。甘さは好みで調整してください。
おせちで余った栗きんとんのアレンジレシピ
身近な材料で簡単に作れるものと、おせちで余った栗きんとんを活用するアレンジレシピをご紹介します。栗きんとんの風味を生かした新しい楽しみ方をお試しください。
・栗きんとん餡
・栗きんとんと黒豆の白玉しるこ
・栗きんとんスイートポテト
・栗きんとんシャンテリー
・栗きんとんパイ
栗きんとん餡
栗きんとんは、餡としてどら焼きにするのもおすすめです。カステラ風の生地を作って、栗きんとんを挟んで楽しみましょう。
材料
・ホットケーキミックス:150g
・牛乳:100ml
・卵:1個
・はちみつ:大さじ2
・余った栗きんとん:適量
作り方
1.材料を全てボウルに入れて混ぜ合わせる
2.フライパンにいくつかの小さな丸を形作りながら生地を流し込む
3.表面にぷつぷつ気泡がでてきたら、裏返し蓋をして弱火で焼き、取り出す
4.ラップで包み荒熱を冷ます
5.生地の上に余った栗きんとんを乗せ、その上にもう一枚の生地を乗せて栗きんとんを挟む
栗きんとんと黒豆の白玉しるこ
おせちの栗きんとんと黒豆を使ったアレンジレシピです。牛乳をプラスしてクリーミィな味わいに仕上げます。
材料
・栗きんとん:150g
・牛乳:100cc
・白玉粉:50g
・水:40〜45ml
・シナモンパウダー:少々
作り方
1.ボウルに白玉粉を入れ、分量の水を少しずつ加えてこねる
2.1.を丸めて熱湯でゆで、浮いてきたら1分ゆでて引き上げ、水に放す
3.別の鍋に栗きんとんと牛乳を入れ、焦げつかないように混ぜながら温めるす
4.器に3.を注いで白玉を入れ、栗と黒豆の甘煮を飾ってシナモンを振る
栗きんとんスイートポテト
栗きんとん自体がさつまいもで作られているため、余りと家にある材料で手軽にスイートポテトを作れます。スイートポテトは冷めてもおいしいので、多めに作って冷蔵庫に保存しておくのもおすすめです。
材料
・余った栗きんとん:200g
・溶かしバター:15g
・ほぐした卵黄:適量
作り方
1.栗きんとんの栗は取り出し、粗く刻む
2.栗きんとんとバターをボウルに入れラップをし、電子レンジで温める
3.2.をまぜあわせたら、1.を入れて混ぜる
4.小さいアルミホイルのカップに合わせて小さく丸め、カップに入れる
5.刷毛で表面に卵黄を塗る
6.オーブントースターで10分程度加熱する
栗きんとんシャンテリー
シャンテリーとはホイップクリームを意味します。このアレンジでは、旬の茹で栗ペーストとホイップクリームを混ぜ合わせた栗のデザートを作ります。栗きんとん自体が甘いため、ホイップクリームは甘さ控えめでも十分な味わいを楽しめるでしょう。
材料
・余った栗きんとん:200g
・生クリーム:100g
・お好みでパンやクラッカーなど:適量
作り方
1.生クリームを固めに泡立てる
2.栗きんとんと1.を混ぜ合わせる
3.2.をまぜあわせたら、1.を入れて混ぜる
4.そのまま食べても、クラッカーやパンに乗せて食べても良い
栗きんとんパイ
少ない材料で簡単に作れるパイです。お好みで栗きんとんにラム酒を加えると、味の変化も楽しめます。
材料
・冷凍パイシート:1枚
・余った栗きんとん:約180g
・ほぐした卵黄:適量
作り方
1.冷凍パイシートをしっかり伸ばし、4等分にする
2.底部分になる2枚のパイシートには、フォークで穴を開ける
3.上に被せるパイシートは、包丁で切れ込みを入れる
4.底部分になるパイシートの中央に、縁部分には広げないよう栗きんとんをのせる
5.栗きんとんの上に切り込みを入れたパイシートを乗せ、上下の淵を押してくっつけ、閉じる
表面に卵黄を塗る
6.表面に卵黄を塗り、200度に予熱したオーブンで20分程度焼く
栗きんとんに込められた意味を知っておせちを楽しもう
栗きんとんには、金運上昇や勝運向上といった縁起の良い意味が込められています。この伝統的な味を知ることで、おせちをより深く楽しむことができるでしょう。
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「おせち」の意味については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
おせち料理の種類は?具材の意味や重箱への詰め方を解説
- 監修者:金丸 利恵(かなまる りえ)
- おうちごはん研究家、管理栄養士、分子栄養学カウンセラー大手企業での栄養士業務、レシピ開発を担当。保健指導では2000名以上の食事指導を行う。その後独立し、料理教室を主宰し、食育やダイエットサポートなどあらゆる世代の食と健康に関わる。「食べることは、生きること」をモットーに、栄養指導やセミナーを通じて、食と栄養の大切さを伝えている。スーパーで買える身近な食材で、健康的においしく簡単に作れるレシピに定評がある。