おせち料理に「数の子」を入れる意味は?名前の由来や塩抜き方法を紹介
おせち料理の定番である「数の子」について、入れる意味や由来をご存知でしょうか。
この記事では、おせち料理に数の子を入れる理由や、産地によって異なる数の子の種類を解説します。
また、おせち料理に数の子を入れる準備方法や、調理の際に塩抜きする方法、各地の名産数の子料理もまとめました。特に、数の子の塩抜き方法は時短テクニックも紹介しますので、忙しくてじっくり時間が取れない方はぜひご参照ください。
数の子を入れる意味や作り方を知って、おせち料理をより深く楽しみましょう。
「数の子」の名前の由来は?
まずは、数の子の名前の由来からご紹介します。
そもそも、数の子は、「鰊(にしん)の卵」からできています。
鰊(にしんの卵)は「カド」とも呼ばれており、「カドの子」がなまって「カズノコ(数の子)」になったと言う説が有力です。
また、他にも卵の数が非常に多いため数の子と呼ばれるようになったという説もあります。
おせち料理に「数の子」を入れる意味は?
続いて、おせち料理に数の子を入れる意味を説明します。
一般的には、大きく分けて以下2つの理由が挙げられます。
・「子孫繁栄」への願い
・「祝い肴」の一つとして
「子孫繁栄」への願い
鰊(にしん)の卵巣である数の子は、「二親(にしん)」と当て字をすることで、「両親二人から数多くの子どもが生まれる」と願掛けされています。
数の子は、子孫繁栄を願う縁起物として、新年のおめでたい席に並ぶ一品となりました。
「祝い肴」の一つとして
おせち料理には、花形的な役割を果たす「祝い肴」と呼ばれる酒の肴があります。
「祝い肴」は、お屠蘇と一緒に、邪気を払うために新年の最初にいただく3品で構成され、一般的に「数の子(かずのこ)」「黒豆(くろまめ)」「田作り(たづくり)」とされています。
地域によって多少品目は異なるものの、多くの場合数の子は含まれており、全国的に愛されています。
おせちに入れる数の子の種類
数の子には、大きく分けて2種類の産地があります。
一つ目は、太平洋で獲れる鰊(にしん)の卵です。卵同士が結着して固化する性質から、 数の子特有の食感があり、塩数の子に使用されます。
二つ目は、大西洋で獲れる鰊(にしん)の卵です。柔らかくしっとりとした食感で、ほくれやすく加工品に適しています。
おせち料理に入れる数の子を準備するタイミング
一般的に、おせち料理に入れる数の子を手作りする場合、冷蔵なら1週間程度が一般的な保存の目安です。冷蔵保存期間は、密閉された容器やラップを使い、外気に触れないように注意してください。
クリスマスが終わってひと段落ついてから、食べる1週間前を目途に用意するとスムーズです。
師走の慌ただしさで、12月の後半にかけて余裕がない方は、月初の余裕があるときに、塩抜きをして冷凍保存しておきましょう。水分が多いと氷がつきやすくなるので、できるだけ水気を取り、ラップで包むか密閉できる保存袋や容器に入れて冷凍します。
冷凍した場合は、冷蔵庫で自然解凍をしたのち、味付けをします。味付けした状態で冷凍すると、解凍時に味が変わる可能性があるため、味付けは解凍後がおすすめです。
なお、数の子を塩抜きする前なら、冷蔵でも2〜3ヶ月ほど保存できます。次の項目では、数の子の塩抜き方法を詳しく解説しますので、ご参照ください。
おせち料理に入れる数の子の塩抜き方法
年末に調理しておいて、お正月の間三が日かけていただくおせち料理は、準備方法にもコツが必要です。
保存や日持ちを考慮しながら、おせち料理に数の子を入れる際の準備方法を解説します。
数の子を塩抜きするポイントは、数の子を塩抜きするポイントは、数回にわけて食塩水に浸けること、塩を抜きすぎず、ほのかな塩味を残すことです。
塩抜きする際には、薄めの食塩水を利用します。これは呼び塩と言われる手法で、浸した食塩水と同じ濃さになるように、塩分の濃い方から塩が抜け出る現象を利用しています。真水に入れても塩抜きはできませんので、お気をつけください。
数の子は、塩分を抜きすぎると苦みが出てしまうので注意が必要です。もしも苦みが生じた際は、上記の特性を活かして、逆に濃い目の食塩水に1〜2時間浸せば苦みを消せます。
数の子の一般的な塩抜き方法
数の子の塩抜き手順は、一般的には以下の通りです。
手順
1.1000ccの水に対して小さじ1(約5g)の塩を溶かした食塩水に、薄皮が付いた状態の数の子を入れて3〜4時間浸す
2.同じ濃度の食塩水を作り、数の子を移しかえて再び3〜4時間浸す
3.同じ要領で合計3〜5回を目安に食塩水をかえ、塩抜きを行う
時短の場合も、食塩水の中で数の子の薄皮を丁寧に取り除くことで、さらにスムーズに塩分が抜けやすくなります。
数の子を使ったおせち料理
数の子を使った料理には様々なものがあります。以下では、数の子を用いた名産品や郷土料理などを、地域性も織り交ぜながら紹介します。
・豆数の子
・数の子豆
・松前漬け
・数の子なます
豆数の子
「豆数の子」は、主に福島県で正月に楽しまれる郷土料理です。
大豆の一種である「ひやし豆」と、醤油漬けの数の子で作られています。
数の子豆
「数の子豆」は、長野県の郷土料理である「ひたし豆」に数の子が和えられた料理です。
長野県では、おせち料理の定番として親しまれています。
松前漬け
「松前漬け」は北海道の郷土料理で、数の子と昆布、するめ、にんじんなどを醤油ベースのタレで漬けた料理です。
昆布とするめから出る旨味が数の子と合わさり、非常に風味豊かな味わいです。
数の子なます
「数の子なます」は、大根と人参で作る紅白なますに、子孫繁栄の願いが込められた数の子を和えて、より縁起の良い1品にしたものです。
食感のよい数の子とサッパリしたなますの相性が良く、彩りがきれいです。
数の子に込められた意味を知っておせちを楽しもう
数の子は、産地によっても味わいが異なり、調理や保存方法も多岐にわたります。
おせち料理に入れる数の子に込められた意味や作り方を知って、おせち料理をますます楽しみましょう。
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「おせち」の意味については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
おせち料理の種類は?具材の意味や重箱への詰め方を解説
- 監修者:金丸 利恵(かなまる りえ)
- おうちごはん研究家、管理栄養士、分子栄養学カウンセラー大手企業での栄養士業務、レシピ開発を担当。保健指導では2000名以上の食事指導を行う。その後独立し、料理教室を主宰し、食育やダイエットサポートなどあらゆる世代の食と健康に関わる。「食べることは、生きること」をモットーに、栄養指導やセミナーを通じて、食と栄養の大切さを伝えている。スーパーで買える身近な食材で、健康的においしく簡単に作れるレシピに定評がある。