数の子の調理方法をご紹介
おせちの中でも人気の高い数の子。買ってみたけどどうやって食べたらいいかわからない…という方のために、調理方法をご紹介いたします。
おせちに数の子が入っている理由・意味とは
黄色い色が美しい数の子は鰊(にしん)の魚卵になります。かつて鰊を「カド」と呼んでいたため、「カドの子」がなまって「カズノコ」と呼ばれるようになったと言い伝えられています。
数の子は、鰊(にしん)の 産卵期である3月から4月が旬とされています。魚卵は卵の数がとても多いことから、子孫繁栄を願う縁起のいい食材として扱われてきました。そのためお正月のハレの日を迎えるにふさわしい食材として、おせち料理のメニューとしても長く親しまれているのです。
おせちに入る数の子の調理方法
数の子は通常塩漬けにして販売されています。鮮度を維持するために海水よりも濃度の高い状態になっているため、そのまま食べることはできません。必ず正しい方法で塩抜きをしてから調理にとりかかりましょう。
数の子の塩抜きは注意が必要です。なぜなら、塩を抜きすぎてしまうと味が薄くなってしまい、味気ない一品になってしまいます。とくにおせち料理のように和風にあっさり味付けして素材そのものの風味や食感を愉しむ料理の場合には、食材の下ごしらえこそ仕上がりに大きな差をつけるものです。数の子の扱いにあまり慣れていないという方は、ぜひ下記の手順に沿ってやってみてくださいね。
数の子の塩抜き
- 材料
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- 数の子200グラム(薄皮の付いた状態のもの)
- 水1リットル
- 塩小さじ1
- 手順
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- まず、水と塩を混ぜ合わせ、そこに薄皮が付いた状態のまま数の子を入れる。
- そのまま6時間以上放置し、塩水の中で数の子の薄皮を剥く。
- 一度塩水を捨ててから、再度同じ分量の塩水を作り、ふたたび数の子を入れる。
- さらに6時間以上放置したら、味見をする。
- 適度に塩が抜けてちょうどいい塩加減になっていれば塩抜きの完了。
コツはこまめに味見をすることです。これでもまだ塩が抜けていない場合には塩水につける時間を少し長くします。塩抜きが終わったらさっそく味付けにとりかかりましょう。
数の子の味付け
- 材料
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- 数の子200グラム(塩抜きの終わったもの)
- みりん大さじ4
- 醤油大さじ2
- 酒大さじ2
- だし汁2カップ
- 作り方
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- 調味料をすべて鍋に入れて火にかけ煮立てる。
- そこへ塩抜きを済ませた数の子を入れ、弱めの中火で5分ほど煮込んだら火をとめ、そのまま鍋に数の子を入れたままの状態で冷まして味を染み込ませる。
- およそ半日から一晩程度放置すれば数の子に味がしっかり付きます。
美味しい数の子の選び方
数の子は薄皮が付いた状態で売られているものを選びましょう。薄皮が付いている状態のものは塩抜きがされていない証です。塩抜きのされているものは鮮度が落ちやすいため、数の子を購入するときには必ず薄皮の有無をチェックするようにしましょう。薄皮は付いていれば、数の子の表面に白い糸状のようになって見えます。
次に注意したいポイントが数の子の色です。数の子と言えば黄色を連想するものですが、過度の漂白によって不自然に白くなっているものも存在します。たとえば贈答用の数の子など、見た目の美しさが必須の場合によく見られるのですが、新鮮な数の子を手に入れたい場合には数の子本来の黄色さがあるものを選びましょう。漂白されすぎた数の子は鮮度が落ちるだけでなく、あのプチプチとした食感が弱くなっていることもあります。新年のハレの日に食卓に並ぶおせち料理の中にそんな数の子が入っていたら・・・なんだか拍子抜けしてしまいますよね。新年にふさわしい新鮮で美味しい数の子を選ぶようにしましょう。