お重で美しく!おせち料理の詰め方

お重で美しく!おせち料理の詰め方

美しく見せるためのおせち料理の詰め方には、実は簡単なルールがあります。
何品もある料理、しかも普段は滅多に使わない重箱。「美しく盛り付けるなんて難しそう・・・」「伝統とかルールなんて全くわからない・・・」などと作る前から尻込みしてしまっている方も多いのではないでしょうか?そんな方のために、不器用さんでもセンスに自信のない方でも簡単に華やかで美しいおせち料理を演出する方法をお教えします。

おせち料理を重箱に詰める理由とは

おせち料理を重箱に詰める習性は、明治時代からです。それまでは年迎えの膳の方がおせちと呼ばれていました。おせち料理を重箱に詰めることにもきちんと意味があるのをご存知でしょうか?おせち料理に詰められているそれぞれの料理に意味があるように、重箱には“めでたさが重なるように”との願いが込められているのです。

本来は与段重が正式なものですが、現在では三段重が主流となっています。すべてに意味や願いが込められているおせち料理。何段目にどんな料理を詰めるのか、地方によって差もありますが、やはりこれにも意味があるのです。

三段重

一の重・・・祝い肴、口取り
二の重・・・焼き物酢の物
三の重・・・煮物

与段重

一の重・・・祝い肴
二の重・・・酢の物、口取り
三の重・・・焼き物
与の重・・・煮物

盛り付ける前に仕分けをしよう

重箱に詰める前段階に大切な作業があります。それは、どのおせち料理を何番目のお重に入れるかを盛り付ける前に仕分けておくことです。直前になって慌てないためにも、今のうちにチェックしておきましょう。

一段目のお重の詰め方

一段目はだいたい口取りや先付けなど、フランス料理でいう前菜のようなお料理が入ります。
具体的には、黒豆・栗きんとん・叩きごぼう・田作り・紅白かまぼこ・昆布巻きなど、甘めの料理を中心に詰めていきます。

ここで美しく見せるためのポイントは、配色。似た色を近くに置かないようにすると華やかに。配色が地味に見えてしまう場合は、飾り用のシダや松の葉など、色鮮やかな小物を使ってのアレンジもオススメです。

二段目のお重の詰め方

二段目にはメインとなる料理や酢の物を詰めていきます。
具体的には、鯛・海老・数の子・紅白なますなどメインディッシュにあたる料理が中心です。鯛や海老は頭の向きが左になるように詰めましょう。

三段目のお重の詰め方

三段目には煮物を詰めていきます。
具体的には、煮しめ・筑前煮・里芋・蓮根・こんにゃくなどです。汁気はよく切るか、竹筒などお正月らしい器を利用して他の料理と味が混ざってしまわないように気を付けましょう。

のイメージ画像

自由に盛り付けるためのアイテム

備え付けの重箱の仕切りでは1、2種類の仕切り方しかできませんが、市販の仕切りを購入することで盛り付けのアレンジの幅がぐんと広がります。 重箱に詰められた料理を広げるとき、それぞれの段を同じ詰め方にするより異なった詰め方にすることによってテーブルの華やかさが増します。

どんな仕切り方があるか詳しく見ていきましょう。

  • 田の字型
    田の字型
    “田”の字のごとく、重箱を十字に仕切ります。
  • 市松型
    市松型
    縦3つ、横3つ、計9つの四角形に仕切ります。
  • 手綱型
    手綱型
    ななめに仕切ります。
  • 七宝型
    七宝型
    ひし形に仕切ります。5種類の料理を詰めることができます。
  • 段取り
    段取り
    重箱に対して平行(横)に仕切ります。
  • 末広
    末広
    中央に円形状、その周りに4種類の料理を詰めることができます。

こんなにたくさんの仕切り方があるなんて、知らなかった方も多いのではないでしょうか? 普段の料理では仕切り方を意識する機会は少なくて当たり前ですから、当然のことですよね。

難しそうと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの盛り付け方を手軽にできるようにお重用の仕切りも販売されています。「不器用だからキレイに盛り付けられるか自信がない・・・」という方でも、仕切りさえあればそれに合わせて詰めるだけなので簡単にキレイな盛り付けが完成してしまいます。

ちなみに、中心が円形になっているものは柚子の実をくり抜いてカップ状にしたものや竹筒、その他おせち料理のために売られている小物食器を使って形を整えることができます。 そうすることで彩りもプラスすることができるため一石二鳥です。

他にも、直線は食材そのもので作ることもできますし、葉物を使って演出することもできます。

難しく思われがちなおせち料理の盛り付けですが、上記の仕切り方を参考にしていただくと実際に盛り付けるときのイメージが浮かびやすくなると思います。 まずはどんな料理を入れるか考え、次にどんな風に盛り付けるのかをイメージし、それをもとに小物選びをされてみてはいかがでしょうか?